レース針(かぎ針)でまっすぐ編むだけの、方眼編みのスカートを紹介します。
方眼編みとは、かぎ針の鎖編みと長編みで柄を作っていくもので、編み方はとても簡単。初心者さんでも大丈夫!と言いたいところですが、なにしろスカートなのでたくさん編まないといけません。しかも細い毛糸を選んだので、針も細いレース針。ぜんぜん進まなくて時間がかかりました…。
今回裾からウエストまで全く増減なしで、間で少し柄を変えているだけです。なので、お好きな柄を組んでまっすぐ輪に編むだけで、スカートになってくれます。編み方紹介するまでもないかも…。
そして方眼編みは柄が自由に作れるのがよいところ。ラブリーな花柄が多い印象ですが、私は簡単な幾何学模様にしました。
透けるので、裏地が必要になります。今回のスカートのポイントです。
使用した毛糸と裏地、使用量
毛糸・アヴリル コットンリネンスラブ 約160g
(セール品。現在は売っていないと思います)
裏地・ キュプラ100% ツイル、冬用 1.2m
裏地は何でもかまいません。キュプラで表と色が合って透けにくい、という条件にいちばん近かったのがこれでした。ちなみにとらやで購入。
使用した針、道具
レース針2号、ミシン、ミシン糸
レース針はアミュレ使用。使いやすいです。
ゲージ
31目*11.5段
(ヒップ96cm、丈58 cmくらいで作りたかったのですが…。サイズについては、まとめに書いています)
スカートの出来上がり寸法
サイズの上がりについては、後ほどサイズについてで書いています。
表スカート編み図
裏地のパターン
スカートの作り方
スカートの編み方
すべて1本取りです。
必要な目数細編みをします。これが1段目になります。
普通は鎖編みを必要数作って、そのまま2段目に行くのですが、これはレース糸ほどの細い毛糸でかなりの目数。
鎖編みって目を数えるの、本当にたいへんなのです。絶対に絶対に合いません。自信がない。
なので、私は1段めと2段めでコーンを変えて、鎖編みを編みながら平行して2段目を編みました。2段めの模様編みの部分だと、目が数えやすく、間違いが少なくなります。
このやり方が合っているのかはわからないのですが、糸の始末が面倒なだけで、作品としてはおかしくないので大丈夫だと思います。
2段めからはただひたすら模様編み、必要な長さになったらベルト部分の細編みを編みます。
ベルトの途中ですじ編みをしています。これは、ここでベルトを裏側に返す、という案内線として入れてありますが、べつに入れなくても大丈夫です。
すじ編み
一応すじ編みのやり方を紹介します。
すじ編みはその名前の通り、「すじ」が出るように見える編み方です。
細編みは図の部分、2本に針を入れて編みます。
すじ編みは向こう側の1本だけに針を入れる。
あとはこま編みします。
違いは最初に針を入れる場所だけです。
ベルトは半分+縫い代を裏側に折り返し、間にゴムを入れてミシンでたたき付けます。このすじ編みの部分が案内線になって、折り返しやすくなります。
ベルト端まで編んだら、次は裾の部分を編みます。
表裏だけ気を付けて、チェック状に2段、その先はすべての目が長編みです。
編み上がったら毛糸の端を始末して、1度水通しします。
裏地について
以前スカートの裏地についての記事を書いたことがあります。https://www.tttttta.com/entry/skirt-liningそこでも書いていますが、ニットにつく裏地には注意しないといけない部分があります。
まず、表地は伸びますが、裏地は伸びない。ニットの裏地を使う場合は問題ない場合もありますが、今回は表がレース状の透ける編地です。ニットの裏地って見た目が安っぽいのでキュプラの冬用のツイルの裏地を使っています。裏地の種類は好みで使い分けてください(私はキュプラ好き)。
今回、裏地の脇線のきせを多く付けています。また、裾周りを確保するために、脇線にスリットを入れています。
表地が伸びるのに裏地が伸びないものだと、着用していて違和感を感じてしまうことがあります。それを防ぐためにきせ、スリットを入れます。
ただ、透けるのであまりスリットが長いと足が見えるのがいやなので、裏地のパターンで裾巾を大きめにしてスリットを短めにしています。
若い方なら、表地よりもかなり短い裏地が付いたものでも違和感がないかもしれません。それであればスリットを入れなくてもokです。
今回裾からウエストまで増減なしで編んでいるのですが、裾の長編み部分、間の模様部分、ウエストのこま編み部分で上がり寸法がけっこう違っています(こちらのことはサイズについての部分にも書いています)。
なので、裏地のパターンをAラインに作って裁断しました…といっても、パターンは作ってませんが。
裏地に直接線を描き込んで裁断しちゃいました。慣れている方はそれでも大丈夫だと思いますが、慣れない方は裏地は滑りやすくてずれるので、型紙を作ってちゃんと裁断したほうがよいです。
裏地のパターンはサイズを大きめに作っています。また、裏地の脇線にはかなり多い1.5㎝のきせをかけています。布帛のスカートなんかでは、通常きせは0.5㎝程度です。これは、伸びのある表の編地に対し、裏地が小さいと着用しにくいためです。
しかし、裏地はがあまりに大きいと中でだぶつくのが表から見えてきれいでない場合もあるので注意が必要です。
実は、このスカートの裏地、中でだぶついているのがよく分かるのですよね…。サイズについて、の部分に着画があるので、よかったら見てみてください。
裏地を小さくしてはきにくい、歩きにくいとなるのがイヤだったので、裏地はもう少し小さくしてもよかったかもしれません。ですが、これくらい余裕があるとやっぱり着用するには楽。
きせは、ウエスト~ヒップのあたりまでは1.5㎝をキープするようアイロンを当てています。スリット止まりできせが0になるよう、ヒップ~スリット止まりはななめにアイロンを当てました。
裏地は、表地になる編み地が透けないものなら外表になるように付けますが、今回は編地がレース状で透けるので、表地側が表になるよう裏地を付けます。
ウエスト部分は下の図のようにベルトを裏側に折り返して間にゴムを入れ、裏地をはさみこんでミシンでたたきつけています。
今回はウエストベルト部分をこま編みにしているので、ゴムが表側に透けません。なもし透けたらゴムに裏地を巻くつもりでいました。でも裏地で巻くの、とても面倒なんで透けなくてよかった。
ですが、裏地をはさんで、ゴムを間に入れてミシンをかけるのがけっこう難しいです。なので、私はまずベルトと裏地を捨てミシンでくっつけておいて、間にゴムを通し、まち針で留めてミシンをかけました。
ベルトのステッチをかける際は、裏地のほうが大きいのでベルトを伸ばしながらミシンをかけてください。伸ばしてステッチをかけることで、着脱の際の糸切れを防ぐことができます。
捨てミシンは糸が目立たない色ならそのまま置いていてもいいですが、私はグレーのミシン糸が残り少なくて不安だったので、色を変えています。その場合は縫うときに目を大きくしておき、返し縫いをせずにかけます。そして後からその糸を抜いてしまいました。
あとはアイロンをかけて完成!
サイズについて
最後にサイズについて書いておこうと思います。
スカートは今回で3枚作りましたが、すべて丈が長く、ヒップが小さく上がっています。
編む前からそれを見越して、ヒップ大きめに作っていますが、それでも小さく上がります。しかも、測ったサイズは置き寸なので、持ち上げて測るともっとヒップは小さいです。
しかし、はくと、当然ですがちゃんとおしりは入ってくれます。
スカートは重みでどうしてもやせて、長く上がるので、これはもうどうしようもありません…。
また、裏地についての部分でも触れましたが、模様編みの部分と長編みの部分とこま編み、それぞれの場所で目数は同じなのに上りの大きさが違っています。ゲージはいちば ん重要なところ、ヒップの部分になる模様編みで取りました。
正直、こんなに差が出るとは思いませんでした。編んでみないとわからないものです。
かぎ針編みは、棒針よりも編み地に伸びが出ないので、ウエスト(こま編み)部分がもっと小さく上がれば、はくときにおしりが入らなくなるので、編み直さないといけなかったかもしれません。
まとめ
今回はレース針だったのでかなり時間がかかってしまいました。2か月近くかかりました。大作です。
ですが、基本的にただただまっすぐ編むだけなので、丈やヒップのサイズはアレンジしやすいと思います。その場合、裾が小さいと歩きにくいので、丈と裾巾のバランスに注意してください。
柄を変えるのもよいと思います。ただし、柄のピッチで目数が変わってくるので、そこだけ注意が必要。
裏地も、私はキュプラを使いましたが、基本的にどんな素材でも構わないと思います。裏地でなくともよいと思います。
ただ、編地に使う毛糸の種類により裏地の相性が良くない場合もあるので注意してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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