カーディガンの製図の方法と、我流ですが編み図の作り方について書いてみたいと思います。
自分でデザインを考えてパターンを引き、編み図を作って編んだものです。
ご自分で製図したり、編み図を作ってニット を編みたい方の参考になればと思います。
パターンがある程度できる方なら、私と同じようにできると思います。このやり方で、自分のデザインしたものが編めますよ!
アヴリルさんの紬糸というシルクの毛糸を2本取りにして、カーディガンを編みました。
身頃のグラデーションがポイントです。
通常、製図は、身頃も袖も前後で形を変えます。
体の構造上同じ形をしていないし、同じ動きにもならないからです。
ですが、ニットはたても横もかなり伸びるので、布帛(織物)の製図ほど気にしなくてもよいです。
今回はとくに、できるだけ製図は簡素化しました。
身頃は衿ぐり以外前後とも同じ形にしています。アームホールが同じなので、袖も前後で山の形が同じです。
実は、編み物や、編み物の製図をして実際に作品を編むことをされているのか、その方法はわかりません。
なので、私のやり方がスタンダードからどれくらいかけ離れているのか、(意外とスタンダードに近いのか??)全くわかりません。
私は、毛糸を見て、その糸に合うデザインをしてからパターンを引き、ゲージを取ります。
そして、その毛糸のゲージで方眼を作って、パターンの上に重ねて置いて編み図を作ります。
基本的にイラストレーターというソフトを使ってPCで作りますが、イラストレーターはカーブ線の長さの計測ができないので、カーブ線の長さの確認だけは、プリントアウトしたものを使って確認します。
ここでは、身頃のアームホールと袖山の長さが合っているかどうかです。
アームホールと袖山の長さ合わせは、とても大切な部分なので、必ず確認します。
衿もとても大切です。衿付きのものも、パターンの時点で確認します。
まずは大元のパターン。パターンに寸法を入れて、図を作りました。単位はすべてcmです。
前後で同じ長さの部分は省略しています。
引き方など詳しく説明はしませんが、囲み製図でできるので、興味のある方は作ってみてください。
ただし、これはあくまでニット用のパターンです。布帛(織物)のパターンとは違います。
衿ぐりは前後で違いますが、アームホール、肩線は前後同じ形です。
袖山、袖下線も前後同じパターンです(袖山線で反転させる)。
直線の部分は編み図がなくてもゲージと寸法で編めますが、カーブ線はそうはいきません。
パターンに方眼を重ねます。例として、袖山のカーブの部分です。
この方眼は、ゲージを測った目数と段数で作っています。
そして、いらない部分の方眼を消していきます。
そうすると、自然と編み図が現れてきます。
マス目は、例えば偶数段で切り替わるように、編み物のルールに沿って消す、残すを決めます。
肩線などは、必ず前後で同じ目数になるようにします。
またカーブ線では、衿ぐりでは衿と、アームホールでは袖とはぐ部分なども基本的に縫い代分を取らずに編むので、カーブ線が必ず含まれるようにマス目を調整します。
(たくさんはぎが入るデザインのものや、糸が太く目が大きいものは、縫い代分を加味してパターン、編み図を作り編むほうがよいと私は考えます)
また、パターンの時点では左右対称に作りますが、編み物は往復に編み進みますので、編み図は左右対称にはなりません。(小ものや、輪針などで往復せずに編めるスカートなどは気にしなくてよいと思います)
これらの編み物のルールに沿って、半身頃もしくは両身頃の編み図を作っていきます。
編み図を両身頃作るのはとても面倒なので、私は半身しか作りません。
こんなふうに、必要最低限の部分だけ編み図を作り、 編んでいます。
着てみました。
衿ぐりがあきすぎですかね。デザイン、パターンの問題です。衿ぐりが伸びたりしていないので、良しとしよう。
袖が長いですね…でも形は悪くないです。けっこう狙い通りです。
肩のドロップの感じも悪くない。自画自賛。
…編み物の腕をもっと上げなければ。日々精進です。
実はこれは、母にあげるために作ったものです。
でも、市販の本を見て作っているわけでもないし、うまくできるかどうかもわからなかったので、デザイン的にもサイズ面でも、私でも母でも着られるものを目指して作りました。
編みあがってから母に見せて、欲しいかどうかたずねると、「欲しい!!」と即答でした。欲しいと言われるって、うれしいですね。
無事、お嫁にもらわれていくことが決まりました。
ブログのために写真撮影まではうちに引き留めていたのですが、そろそろ送り出そうと思います。
このブログが、誰かのお役に立つことがあるなら、とてもうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。