自分のサイズで編んでみたい、この毛糸で作りたいなどと思われたこと、ありませんか?
そんな方に、型紙を作らなくても、編み図なしでできる、棒針編みスカートの編み方を紹介します。
基本的にまっすぐ編むだけで、素敵なAラインのスカートができてしまいます。自分で糸や柄が決められるので、世界に1枚だけのものができあがります!
ウエストベルトには平ゴムを使用するので、着るのもらくらくです。
シンプルな形なので、編み地で遊ぶとかわいいものができあがります。私は透かし模様を入れてみました。
同じ目数のまま途中何度か針を変えながら、裾からウエスト向かって編んで大きさを調整します。
今回私が作ったスカートは、4段階に分けて、4種類の号数のちがう輪針を使いました。
はじめの裾のほうは大きな号数で、ウエストに向かってだんだんと小さな号数にしていきます。そうすると、増やし目や減らし目をしなくても自然とシルエットができます。
このように、編み方はいたってシンプルなのですが、シンプルな分ポイントがいくつかあります。
ポイントを押さえつつ、詳しく紹介します。よかったら作ってみてくださいね。
作品の概要
スカート上がりサイズ
丈 63㎝
ウエスト 72cm(大き過ぎて、あとで66cmに直しました)
ヒップ 92cm
裾周り 110cm
使用毛糸
アヴリル スムースコットン 約380g使用
ベルト・2cm幅平ゴム
(付け方は紹介していませんが、キュプラの裏地が付いています)
1.ゲージをとる
10cm×10cmが測れるくらいの大きさのスワッチを編んでみて、ゲージを取ってください。
小物などと違い、体に合わせるものですので、サイズ感はとても大切です。スカート部分を編む柄で、使う毛糸に合った号数で、必ず取ってください。
水通しをするか、スチームアイロンをかけて、編み地を落ち着かせてから測ってください。
2.サイズを決める
型紙や編み図は作りませんが、ぜひ図のようなメモを作ってください。手書きで大丈夫です。
ここに先ほど取ったゲージなども書き込んでください。
スカート丈
スカート丈は、ひざ丈前後くらいを目安にレシピを作っています。私は背が高いので、設計時点で58cm(上がり62cm予定)で作っています。
(ウエストが大きいので、着画はさらに長めに見えるかもしれません)
スカートは丈が伸びて上がります。理由のひとつとしては、毛糸をたくさん使うので、重くなってしまうからです。今回使った毛糸はけっこう重いので、設計の時点で、短めに考えていました。
糸にもよるのであくまで目安ですが、ミニ丈で1~2cm、ひざ下丈で3~4c、さらに長ければ5cm程度短くするとよいと思います。
また、丈が伸びるということは、同時に横方向はやせて(小さく)上がりやすいです。置いて採寸するとサイズ通りに上がっていても、はいてみるとおしりの形がくっきり出てしまう…ということも。
ニットなのである程度は仕方ありません。心配な方はヒップ寸法も少し(1~3cm程度) 大きめに設定するか、もっと軽い糸を使うとよいです。
ヒップ
このスカートのいちばん大事なポイントは、ヒップのサイズを基準にすることです。
ヒップライン(おしりのサイズのいちばん大きい部分)は、ウエストから18cm程度下、水平が目安です。なので、この部分は標準のゲージの号数(その糸に合った号数)の針で編んでいます。このスカートでは5号です。
標準の号数だと編みやすく、目が揃いやすいです。寸法もきちんと出しやすくなります。
その時、ヒップラインから上数cmまで基準の号数で編むように設計してください。
理由はいろいろありますが、ひとつ大きな理由として、ウエストから裾に向かって、なだらかにつながっていくようにしたいのです。
生地でスカートを作るときも、ヒップから裾は脇線を直線で引いて、型紙を作ります。図の左のような感じですね。
しかし、今回は針の号数を変えて、無理やり???寸法の調整をします。
針を変えて編むということは、図の右のようになります。あくまでイメージ。
…脇線ガタガタです!
人の体はウエストからヒップにかけて、なだらかにカーブしているので、ヒップラインすぐ上で針の号数を小さくすると、その部分の分量が足りなくなるのです。
ニットは伸びるので、なんだかきつい…とまでは思わなくても、体(おしり)のラインがくっきり出てしまう…ということもありえます。
ですので、私のスカートでもヒップラインから10cm上まで基準の号数で編んでいます。
上記はあくまで布帛(織物)のパターンの考え方です。ニットはよく伸び、いせるのも簡単なので、実際編むとよくなじんでちゃんときれいなシルエットになってくれるので大丈夫なのですが。
裾まわり
裾の始末の仕方は、お好きな方法にしてみてください(縫い代を作って二つ折りにする、ガーター編みなどくるんとならない編み方で伏せ止めにする、など)。
別糸で鎖編みをして作り目をするようにすれば、最後に編むことができます。最後にすると、バランスを見ながら編み方や始末の仕方が変えられます。
私が作ったスカートはこの方法で、後から別糸をほどいて目を拾い、5cmかのこ編み、1cmガーター編みにして、伏せ止めで終わりにしています。
裾周り寸法、私の設計では101.4cmですが、上がりは110cmです。設計時点での裾周り寸法の算出については、上の図を参照ください。
(同じ毛糸を違う号数の針で編むのは、±2号までが限界です。基準のゲージを5号にしていると、大きくするには7号が限界であり、小さくするには3号が限界です。針が1号変わると、5%寸法が変わるので、このような計算になります。)
始末の仕方により違いますが、基本どのやり方でも大きく上がりやすいようです。ただし、指でかける作り目で裾から編んでいたら、ここまで大きくならなかったかもしれません。
また、スカート丈が変わってくるので、裾の始末をどうするかはあらかじめ決めておいたほうがよいです。
二つ折りにすると、縫い代分を余分に編まないといけません。裏側に折り返される分は丈に含まれないので、できあがりの長さが違ってきます。
また、伏せ止めで終わるものでも、違ってくるものがあります。
例えば、ガーター編みと、裾をメリヤス編みでくるんとさせるのとでは、同じ段数を編んでもできあがりの長さが違ってきます。ご注意ください。
3.目数をきめる
ヒップのサイズとゲージを使って、目数を決めてください。柄がある場合は、寸法が小さくならないように調整してください。
ポイントでも書きましたが、スカートは横幅が小さく上がりがちなので、大きめに取った方が無難です。
目数を決めたら、メモに書き込んでおきましょう。
ウエストベルト
ウエストはヒップとのサイズ差が大きいです。私は基準ゲージからひとつ小さい4号針で編んでいますが、ベルト部分を3号で編んでもよいです。
ベルト部分は平ゴムを入れます。お好きな幅のもので大丈夫です。
4.編む
スカート
あとはひたすら編んでください!ここからは私の作ったスカートで説明します。
別糸の鎖編みで240目を作り、裾からウエストに向けて、メモ通りに編んでいきます。
7号で15cm、52段→6号で同じく15cm、52段→5号に変えて14cm、50段→4号に変えて、8cm、28段です。
ウエストベルト
ウエストベルト部分は、表編みします。平ゴムを入れるのですが、幅によって表編みの段数が違います。
お好きな幅で編んでください。
ベルトは、図のようにゴムをくるんで、ミシンをかけています。ゴムの通る部分は表編みにして、一段裏編みにして折り返します。
ミシンをかけるので縫い代を編みますが、そこはガーター編みにしています。とじ針でまつりつけてもよいです。その場合、縫い代はなくても大丈夫です。
裾の部分
裾は、別糸をほどいて目を拾います。
私の場合、5cmかのこ編み、そのあと1cmガーター編みにして、伏せ止めにしました。
このやり方では、全体を見てバランスで裾の始末を決められます。
まとめ
このスカートは裏地が付いています。透かし柄で、そのままでははけないのでる付けました。
今回は編み図なしでできる、をコンセプトにしていたので、減らし目なしで書きました。
最初の設計が少し大変ですが、そこさえクリアすれば、編むのは難しくありません。
これを機会に、スカートを作ってみよう!と思われる方がおられたら、とてもうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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